2016年8月12日金曜日

フジロック2016 リポート ~結局味平~

今年もまたヤケクソの意地のみで
まだ記憶が残っておりますうちに
フジロック・リポート(という名の
中年男たちのバラッド)を記して
おこうと思います。どすこい。


■7/22(金)------------------------------

今年はいよいよ仕事の忙しくなったS村氏が
3日間参加を離脱することになり、ついに
イトウと山DAの「一人ぼっちの二人」コンビ
でレンタカー借りて苗場入りする予定を
立てておったのですが、直前にK山氏が
3日間参加を表明。おまけに親の財産整理
効果?で棚からぼた餅状態で手に入れた?
というマツダCX-5に乗っけてってくれる
というのだから、持つべきものは2浪の友、
と言わざるを得ない。

例年より少々遅めの24時過ぎに吉祥寺を出発。
今年は事前に入場チケットではなく直接リスト
バンドが送られてきたので交換所に並ぶ必要が
ない、つーか最初からそうしろ、これまで
交換所の長蛇の列に並ばされたあの不毛な時間
は一体何だったんだ?と誰もが思ったはずで
あります。従って夜明け頃にテントを設営
できればOKじゃろうという算段。

途中サービスエリアで「なんか眠いから
ちょっと食うわ」とつけそばを食べるK山氏。
食べると余計眠くなりそうな気もするが。
その後、月夜野インターを下り酒と氷を買う
ためいつものコンビニに立ち寄ると早速
おにぎりセットを購入するK山氏。だてに
太っちゃいない。よく食ってるもん。

27時半、苗場到着。入場門で駐車券を
提示して進もうとするとK山氏の
ウインドウ越しに係員の男が笑顔で
声をかけてきた「xxxxっすか?」。
すると「え? いやいやいや、違いまっす、
へへ」とK山氏。

男がなんと言ったのか私は聞き取れなかった
のだがそれはイトウも同じだったようで
「え? K山さん今なんて言われたんすか?」
と訊くとK山氏「んー、わっかんねえ、
なんて言ってたんだ?」。なにを訊かれたか
わからないのに「いやいやいや、違いまっす、
へへ」とは一体なにを否定していたのか?
なぜ否定する必要があったのか?
「な、なんなんすか? なにが違いまっす
なんすか?」とイトウも困惑。フジロックが
終わってからも「あの係員なんて言ってたの
かな?」と気になってモヤモヤして仕方ない。

駐車場は場内1、例年通り最前列を確保するか
と思いきや物販エリアすら突き進んで
キャンプサイト入口付近に駐車。これは便利。
しかし砂埃凄まじくピカピカのCX-5も3日間で
汚れまくりである。業界リストバンドを後で
受け取りに行くというK山氏は車で仮眠、
イトウと山DAで5時前にはテント張り終える。


初日はこんな感じで流します。
 BOREDOMS
 LA GOSSA SORDA
 奇妙礼太郎
 KOHH
 Suchmos
 Courtney Barnett
 ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA
 SIGUR ROS
 ROTH BART BARON

今年は20周年つーことで、出演者云々よりも
いやこの20年間でメシが軒並み高くなったよ
なぁ、ビールもか、なんて考えてたんですが。

そういや朝霧食堂でしらす丼注文したところ、
ご飯が生米を水に浸しただけのような状態で
食べられたものではない。泣き寝入り体質の
私もさすがにこれはないわと憤慨してお店に
文句を言いに行くと、返金してもらったので
問題はないがそれでも奥でご飯をよそってる
スタッフが「硬すぎっすよね」とか言ってる
のが聞こえてきて、店も自覚してるなら
その間も注文客に丼を提供してるのはいかん
だろが、と中年男は思います。このことを
イトウ経由で聞いたというK山氏がその後
しらす丼食べに行ったというから流石です。

この厚み

しかし初日からなかなか涼しい、というか
曇って肌寒く感じる時もあるような気候で、
それでもSuchmos観てる頃にはイイ感じの
青空が広がって、


フジロックらしくなってきたぞ、なんて
ところで八代亜紀の姿を拝んだり、


奥田民生がグランド・ファンク・レイル
ロード「Heartbreaker」を演ったのは
やはりグリーンステージにおける
井上陽水オマージュということか?
などと楽しんでるうちにもう夜になる。
中年男は眠くなる。これは3日間通しての
ことだけど今年はとにかく、ちょいちょい
寝た。いろんなところで15~20分くらい
居眠りして体力を回復させるという
オッサンの作戦である。

夜中、ロット・バルト・バロンを観るため
我々3人はピラミッドガーデンへ向かって
歩いていた。イトウによると、初日の
ヘッドライナー、ジェイムス・ブレイクの
ステージで、最後大きな盛り上がりを
みせたあとに音が抑えられ静かな余韻を
会場全体で共有しようとしているところに、
レッドマーキーから The Birthday の
チバの怒鳴り声が突然鳴り響いて
ジェイムス・ブレイクのアクトを台無し
にしたという。怖ろしいことである。

するとちょうどそこでチバ本人が向こう
から歩いてきた。おいイトウ今こそ
「チバのせいでジェイムス・ブレイクが
台無し!」とチバに聞こえるように言え、
と促したのだがイトウは「チバって最近
格好がドロロンえん魔くんみたいっすよね」
と本人に聞こえるよう言い放ったのだった。
怖ろしいことである。

ピラミッドガーデンに到着すると、やはり
居たキャンドル・ジュン先生。そして彼は
ここではいっつも電話をしている。電話で
何か段取りしてるのだ。ダンドリ・ジュン、
怖ろしい男である。


気温もぐっと下がりあまりに寒いので、
ホットワイン飲みながら焚き火にあたる。
中年男は疲れました。いよいよテントに
戻ってよし寝るか、と思ったらこんな
真夜中にさっきのピラミッドガーデンから
若旦那のどでかい歌声が聞こえてくる。
うるせえ。何時だと思ってんだ。消灯乃風。


■7/23(土)------------------------------

例年、朝は大体6時前には目が覚める。テント
内が暑くなりすぎて汗かいて起きてしまうの
だが、今年は涼しすぎてぐっすり眠れた。

トイレに行くと私の両隣はどうやら女性が
小便中のようだ。簡易トイレの便器に当たる
音でそれがわかる。私はウンコをしながら
金子光晴の「洗面器」という詩を思い出して
いた。

 ---

 洗面器  金子光晴

 (僕は長いあひだ、洗面器といふうつはは、
 僕たちが顔や手を洗ふのに湯、水を入れる
 ものとばかり思つてゐた。ところが爪硅
 (ジャワ)人たちはそれに羊(カンピン)や
 魚(イカン)や、鶏や果実などを煮込んだ
 カレー汁をなみなみとたたえて、花咲く
 合歓木の木陰でお客を待ってゐるし、その
 同じ洗面器にまたがって広東の女たちは、
 嫖客の目の前で不浄をきよめ、しゃぼり
 しゃぼりとさびしい音をたてて尿をする。)

 洗面器のなかの
 さびしい音よ。

 くれてゆく岬タンジョンの
 雨の碇泊とまり。

 ゆれて、
 傾いて、
 疲れたこころに
 いつまでもはなれぬひびきよ。

 人の生のつづくかぎり
 耳よ。おぬしは聴くべし。

 洗面器のなかの
 音のさびしさを。

 ---

イトウはどばしゃどばしゃとハゲしい音を
たてて尿をする。隣にマンボウやしろは
いない

グリーン後方にブルーシートを張り、
のんびり3人で昨日を振り返る。

K山「イトウは昨日何が良かったんだ?」
イトウ「やっぱKOHHがヤバかったっす。北区
王子の都営住宅に住む貧困世帯の出身で、
母親はドラッグ中毒らしくて。んで首まで
がっつりタトゥー入れてラップやるっていう」
K山「ようやく日本にもそーゆー奴が出てきた
か。俺も山DAもよ、KOHHは観たんだよな」
山DA「うん、でも何曲か観てるうちに
これはラップなのか?って聴いてるのが
ツラくなってきて移動しちゃった」
K山「俺もそう」
イトウ「僕は逆に後半から観たんですけど
最後の方にやった曲がまじヤバくて」

イトウがKOHHの真似をして「やっぱり
ジ・モ・ト! やっぱりジ・モ・ト!」
とラップし始める。

イトウ「この曲でKOHHの地元の友だちが
何人もステージに出てきて。超ヤカラが」
山DA「で、やっぱりジ・モ・ト!って
みんなで演るんだ? あまちゃんであった
“地元へ帰ろう”みたいな意味なのかな」
イトウ「いや、めっちゃタトゥー入ってて
全員ステージでワーって暴れるんすよ」
K山「観たかったな…」

非常に気になるので「やっぱりジモト」
で検索をかけてみるとKOHH「結局地元」
の動画がヒット。確認してみると
「ケッキョ・クジモト? ケッキョ・
クジモト?」とラップしている。

文字だけでこのニュアンスを伝えるのは
難しいが、イトウの「やっぱりジ・モ・ト!
やっぱりジ・モ・ト!」は三三七拍子の
すっとこどっこいなフレーズであり、
本家KOHH「結局地元」は「ケッキョ・
クジモト?」と聞こえる感じのフレーズ。

山DA「イトウのフレーズ全然違ってるな」
イトウ「おかしいな…昨日のステージでは
やっぱりジ・モ・ト!って聞こえたんす
けどね、アレンジ変えてたのかな」

そして結局我々の耳からいつまでもはなれぬ
ひびきはイトウの「やっぱりジ・モ・ト!
やっぱりジ・モ・ト!」のフレーズで、
フジロック期間中何度も不意に口ずさんで
しまう中年男3人組の姿があった。

さて、2日目はこんな感じで流します。
 Homecomings
 踊ってばかりの国
 THE COLLECTORS
 jan and naomi
 TRAVIS
 CON BRIO
 LOOK PARK
 ザ・クロマニヨンズ
 BECK
 FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra

そういや今年は会場内のTシャツ売り場が
すべて無くなり、


オレンジコートにはテーブルの並んだ
巨大テントが登場。


ここはのちに飲みながらダベる大衆居酒屋
みたいになってたぞ(私は何度も居眠り
するために利用しました)。

天井の高くなったレッドマーキー

踊ってばかりの国、よかった

jan and naomi、正面で写真を撮りまくって
いたのはjanの母君・佐藤奈々子氏だと思う。
鈴木慶一氏が観に来てた

ヘヴンで CON BRIO を観てたら私の隣に
いたネーチャンが激しく踊ってるんだけど
ずっとスマホをいじりながらなのだ。
これを踊りスマホと名付けることにする

夕方クロマニヨンズを久しぶりに最前列で
観てやろうと意気込んでみるが、前から
3人目くらいの位置が限界で、あとは
モッシュでずぶ濡れ、しかもダイブが
あまりにひどく、後頭部に何度も頭突きを
くらったり顔面に土足の蹴りをくらったり
して死にそうになる。そんなに暴れたい
ならどっかの公園とかでやれ、俺はライブ
を観に来てんだ!と叱ってやりたかったが、
モッシュの激しさで私は短パンが膝まで
ズリ落ちる有り様で、また短パンをズリ
上げることもできず、大変ツラい思いを
しました。

BECKのナイスなステージを堪能したあと、
FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra
で加藤登紀子がフジロックのテーマソング
となってる清志郎「田舎へ行こう」を
「歌い継いで行く」と勝手に宣言、そして
気味の悪いビブラートで「イナァ~カへ~
イコ~オゥ」と歌い始めた。今ではこの曲の
イントロが聞こえるともう清志郎の声では
なくオトキさんのビブラートが想起される
ようになってしまった…。トラウマ…。

K山「おいイトウ、お前BECK観ないで
もちろんZAMIANG観に行ったんだろ?」
イトウ「いくらジョニオさんを拝みたくても
去年のZAMIANGがトラウマで行けませんよ。」

と言いながらiPhoneで何か検索するイトウ。

イトウ「あ、ZAMIANGに松田龍平と広末が
来てたみたいすよ、あとダンドリ・ジュン」
K山「じゃ今年は客3人じゃねーか」
イトウ「ヤバいっすね… 行けばよかった…」

(その後私がフジロックエクスプレスで確認
してみたところ確かに客が3人しか見えない
のだが、これが果たして松田龍平と広末と
ダンドリ・ジュンなのかはわからない)

さて、毎年会場内で何かしら特異な人物
(ヘルシンキ女とか巨人とか)と遭遇する
我々でありますが、この夜、キャンプサイト
に戻ろうとイトウと私が歩いていると、
出店の従業員なのだろうか、包丁人味平
みたいな調理帽と厨房服を着用した
ヒョロヒョロの兄チャンが、生ビール樽を
リヤカーに載せて今にも倒れ死にそうな
姿で運んでいた。基本的に出店の従業員
なんてラフな格好で仕事してるのが常で、
こんな調理帽・厨房服の着用は初めて
見たのでなかなかのインパクトである。

参考「包丁人味平」

山DA「おいイトウ、あれを見ろ!」
イトウ「アハハ!ヤバいっすあいつ」
山DA「すごいいいキャラだなぁ」
イトウ「大丈夫かな、あのカスキャラ」
山DA「死にそうな姿でリヤカー引いてた
けどカスキャラとはひでえ言い方だな」

我々は物凄い勢いで通りすぎて行った
その彼をそのまま「味平」と呼ぶことにし、
あとでテントに戻ってきたK山氏に
「いいもん見た」と味平について
話したりして酒を飲み飲み就寝。
中年男たちは夜更かししない(疲れて
できない)。


■7/24(日)------------------------------

イトウのサンダルを履き、イトウの
イスで寝る男、そのジャイアニズム

K山「おいイトウ、俺が昨日苗プリのトイレに
入ろうとしたらベンジーがチャック上げながら
トイレから出てきたぞ」
イトウ「まじっすか、それって手洗ってない
んじゃないすかね?」

会場で今朝到着したS村氏と合流。氏の父上と
御祖母の健康思わしくないらしく、しかし
どこも親の病気や介護、財産整理などの話が
出るようなそんな年齢に我々もなったのだなぁ
ととてもフジロックで朝飯食べながらする話
ではないと思うのだが、別に違和感なく皆で
納得しながらビールを飲む。なんなんだ。

3日目はこんな感じで流します。
 ザ・なつやすみバンド
 dCprG
 はちみつぱい
 JUMP WITH JOEY
 LEON BRIDGES
 白崎映美&東北6県ろ~るショー!!
 ERNEST RANGLIN & FRIENDS
 BEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS
 KAMASI WASHINGTON
 BATTLES
 電気グルーヴ

「ぼくのなつやすみ」のような空を
眺めながらなつやすみバンドを聴く

フジロックの時しか履いてないこの
スニーカーももうボロボロなので
今年でさよならだ

パリピのように焼けたイトウの肌。そして
このまま“船をこぐ”どころかワンダーコア
のCMのようにカラダを大きく揺らしながら
イトウは竹に座ったまま居眠りしていた

客席に降りてきた白崎姐さんとハイタッチ
できました

トウホグの神様、でけえ

呼んでもないのに来る男、佐藤タイジかと
思ったらただの一般の方でした


気がつけばもう夜。KAMASI WASHINGTON
を観るためヘヴンへ。


このカマシのステージがもう超絶で、
圧倒的で、モノホンプレーヤーたちの
演奏力に私は打ちのめされてしまい
ました。今年はカマシが優勝。
(もちろんイトウは観てない)


ライブ後、臨時物販でカマシがサインして
くれるというのでTシャツ買ってサイン
もらおうと思ってすぐ動いた私でしたが、
すでに長蛇の列が出来上がり相当並ばされる
状態だったので諦める。中年男はもう
Tシャツ購入に執着しない(疲れてできない)。

ホワイトでBATTLES。鈴木慶一先生がいた
ので「はちみつぱい最高っした」と社交辞令な
声をかけて記念写真パチリ。


最後は電気グルーヴを眺めていよいよお開き

ちなみに私がこの3日間、屋台で接客してるコ
以外で女性と喋ったのは、暗闇のトコロ天国の
水道で手を洗っていたら「ハイ、おにーさん」
とライトで私の手元を照らしてくれた女の子
2人組に対する「あざーっす」という言葉
だけ。「あはは、照らさなくなって十分見える
っしょ」と女の子2人組はすぐにいなくなって
しまったが、でも、オジサンはそれだけで
うれしかったヨ。「おにーさん」て言われた
けど私はあなた方よりたぶん15歳くらい
年上だヨ。

そして我々3人がボロボロのカラダを引きずる
ようにしてテントに戻っていると、先に会場を
後にし越後湯沢へ向かったS村氏からイトウに
メールが届く「さっき会場出る時、例の味平と
思われる兄チャン見たよ。たぶんアレ、味平だ
と思う」。

イトウ「あはは、帰り際にS村さん、味平
見れたみたいっす」
K山「俺はまだ実物拝んでねーからなぁ、見た
かったなぁ」
山DA「今夜もフラフラになりながらリヤカー
引いてたらいいんだけど… ひょっとしたら
フードエリアにいないかな?」
イトウ「店番してる可能性、なくはないですね」

そうして我々はフードエリアへ行き、3日間の
祝杯おつかれビールで乾杯。なんか食おうか、
と店を眺めていた時にイトウと私が叫んだ。

「あッ!」

味平発見!

手元のビールはすぐさま地面に流し捨て、
我々はすぐに味平のもとへビールを買い直しに
行った。


味平から受け取った新潟の地ビールはとても
香りが軽やかで美味かった。中年男たちの
カラダとココロに沁みた。


■7/25(月)------------------------------

朝起きてトイレに行く。私はこれまで散々、
トイレ使用中にもかかわらず鍵をかけ忘れた
人たちのドアを開けた経験がある。たくさんの
小便中の男・ウンコ中の女の背中を見てきた。
だから私は鍵のかかってない「空」マークの
ドアでも必ずノックして3秒数えてからドアを
開けるようにしている。

今朝はノック後3秒数えたところでドアを
開けた瞬間に中からガッと手が飛び出して
きて慌てて鍵がかかった。危ないとこだった、
鍵くらいちゃんとかけろよ、と隣のドアを
ノック後3秒数えたところでまた中から
ガッと手が飛び出してきて慌てて鍵が
かかった。

鍵かけろや!(高田延彦「出てこいや!」の
イントネーションで)

テント畳んでキャンプサイトを後にする。
しかし今年は雨も降らず(ほんの一瞬だけ
降ったけどポンチョを被ったのは5分間位)、
直射日光と肌寒さのハザマで実に過ごしやすい
天候でありました。ダニに刺されることはなく
私は一箇所だけ太もも裏をブヨに刺された
程度で、代わりにイトウが膝下を相当刺されて
血だらけなのも良かったです。

帰路の車内では、K山氏による「今年のベスト
飯は?」という問いから自然な流れで
「今年のベストアクトは?」をテーマに会話。

私の場合はベストというか、今年を総括すると
「4K」ということになりましょうか。
・Kato Tokiko(加藤登紀子、その怖い存在)
・Keiichi Suzuki(記念写真撮れたので)
・KOHH(やはり今年のトピック)
・KAMASHI WASHINGTON(ベストアクト)

そんなことを話していたら、我々3人が一斉に
「あッ!」と声をあげた。もう何年も往復
しまくってるこの国道17号なのに、こんな店が
存在するとは今の今まで知らなかった。

「味平」

最後の最後で登場したこの看板に我々3人は
ウインドウ越しに敬礼し、2016年のフジ
ロック20周年を胸にしまった。

そしてその記憶を確かなものとして心に刻む
ため、KOHHが自身の首元に入れてる
デュシャンのモナリザのタトゥーみたく

KOHH

いや、そのインパクトを超えるべく、
イトウには近々首にダイサク先生でも
入れてもらって、壮大なるヒップホップ組曲
をリリースしてもらうしかあるまい。

ITOHH「結局味平」


【完】